F1、2021年の共通ギアボックス導入計画を撤回…6月末までに代替案を公表

F1用ギアボックスの製造風景、メルセデスAMGのブラックリー工場にてCourtesy Of Mercedes

FIA国際自動車連盟は24日、F1世界選手権に共通ギアボックスを導入する計画を撤回したと発表した。コスト削減を推し進めるべく、FIAは今年2月に共通ギヤボックスの入札を開始。2021年から24年までのサプライヤーを選定するプロセスを進めていた。

英国に本拠を置くXtracをはじめとする4社が実際に入札に参加していたが、FIAテクニカル部門は世界モータースポーツ評議会に対して、単独サプライヤーによるギアボックスの導入は必ずしもコスト削減につながらないと勧告。評議会側が過半数を超える決でこれを受け入れた。

計画撤回に至った理由について評議会は、チームとサプライヤー候補者の両方から提出された技術及び財務ドキュメントを勘案した結果だと説明した。提出された技術データによると、現在のF1で使用されているギアボックスはテクノロジー的に収束しており性能差が殆どみられない一方、構成部品の複雑さ故に信頼性が安定していないという。

財務面に関しては、現在F1に参戦している異なるビジネスモデルで運営される複数チームが詳細な財務データを提出。評議会がこれを分析したところ、単独サプライヤー以外の方法であっても、これと同等のコスト削減が可能との判断に至ったという。

代替案については、目下F1のワーキンググループと協議中とのことで、6月末までに提示される見通しだ。なお、現在F1はギアボックスと同様に、ホイールリムやブレーキシステム、ブレーキ摩擦材料の単一サプライヤー制を導入するかどうかを再考しているとみられており、これらも白紙撤回される可能性がある。

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