F1、スパでの雨の茶番劇を経て短縮レースに関するポイント配分ルールを変更

大雨のスパ・フランコルシャンを走行するアルピーヌA521の後ろ姿、2021年8月29日F1ベルギーGP決勝レースにてCourtesy Of Alpine Racing

F1はスパ・フランコルシャンで開催された2021年F1ベルギーGPでのファンからの批判を受け、短縮レースの際のポイント配分を定めたレギュレーションを変更する。

従来はレースが途中中断され再開される事なく終了となった場合、レースディスタンスの75%以上が完了していればフルポイント、2周以上75%未満の場合ハーフポイント、2周未満の場合ノーポイントという扱いであった。

だが2022年のF1では、セーフティーカー(SC)またはバーチャルセーフティーカー(VSC)の介入なしにトップが最低2周を完了しない限りポイントが与えられない事となった。

昨年の8月に開催されたF1ベルギーGPは激しい雨に見舞われ、SC導入下でフォーメーションラップが行われるなど、レース開始を前に混乱に見舞われた。

最終的には3時間に及ぶ赤旗の後、SCが隊列を先導する中でレースをスタートさせ、ハーフポイント獲得の条件たる2ラップのレース周回数をこなして終了を迎えた。

その結果、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が優勝し、トップ10に通常のポイントの半分が与えられた。71年に渡るF1史の中で最も短いグランプリとなった。

これに対して、現地プロモーターやテレビ放送局との契約を満たすためだけにレースを成立させた茶番との批判が飛び交った。

ルイス・ハミルトンはスパでの物議を経てF1に対して観客へのチケット代金全額返金を求めたものの、結局実現する事はなかった。

Courtesy Of Daimler AG

雨のスパ・フランコルシャンで開催された2021年8月29日のF1ベルギーGP決勝レースの様子

こうした状況を受けF1コミッションは、2022年シーズンの開幕に向けて行われた2月14日の会合の中で、スポーティング・レギュレーションの変更を承認し、SCやVSCの導入がない状態で最低2周しなければポイントを付与しない事を決定した。

更に、規定周回数に満たないレースで与えられるポイント配分も変更された。ラップリーダーが2周以上周回してもレースディスタンスの25%に満たない場合、ポイントは以下のように上位5位までに限定される。

  • 1位:6ポイント
  • 2位:4ポイント
  • 3位:3ポイント
  • 4位:2ポイント
  • 5位:1ポイント

また、ラップリーダーが25%以上、50%未満の規定レースディスタンスの消化した状況でレースが終了となった場合には以下のように上位9台にポイントが与えられる。

  • 1位:13ポイント
  • 2位:10ポイント
  • 3位:8ポイント
  • 4位:6ポイント
  • 5位:5ポイント
  • 6位:4ポイント
  • 7位:3ポイント
  • 8位:2ポイント
  • 9位:1ポイント

そしてレースが規定レースディスタンスの50%以上、75%未満で終了した場合は以下のようにポイントが配分される。

  • 1位:19点
  • 2位:14ポイント
  • 3位:12ポイント
  • 4位:9ポイント
  • 5位:8ポイント
  • 6位:6ポイント
  • 7位:5ポイント
  • 8位:3ポイント
  • 9位:2ポイント
  • 10位:1ポイント

本改正案は世界モータースポーツ評議会(WMSC)での承認を経て正式決定される見通しだ。

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