2戦連続DNFもサインツ「何の恨みもない」接触しながらも逆に男を上げたリカルド
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チームとの2年の契約延長を発表した直後、27歳のスペイン人ドライバーは熱狂的なフェラーリ・ファンが見守るイモラ・サーキットで、予選Q2と決勝の2度に渡ってクラッシュを喫した。表彰台争いに足るマシンがありながらも、サインツのレースは僅か2コーナーで終わりを迎えた。
事故はラップ最初のブレーキングゾーン、タンブレロ・シケインで発生した。ターン2イン側の縁石に乗り上げたダニエル・リカルド(マクラーレン)が挙動を乱し、アウト側を走行していたサインツと接触。その後方を走行していたバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)もこれに巻き込まれた。
サインツはターン2までの間にランド・ノリス(マクラーレン)に先行を許していたが、レースはまだ始まったばかりであり、焦りは一切なかったとした上で、リカルドに対しても十分なスペースを残していたと主張した。
「イン側にいたダニエルのためにスペースは十分に残していたと思うけど、残念ながら縁石に乗り上げアンダーステアになった彼が僕にぶつかってきたんだ。それでおしまいだ。本当に不運なレースだった」
「僕に成す術はなかった。でもしょうがない」
サインツとは異なり最後尾にまで転落したものの、レースを続行して最下位でフィニッシュしたリカルドは「こんな事を望んでいたわけじゃないし、他人のレースに傷をつけたいわけでもない。それは確かだ」と説明した。
「記憶を辿る限りでは、どこかの時点で身動きが取れなくなるのが分かっていたから、自分用にスペースを確保するために縁石の方に向かっていったんだけど、そうしたら滑り落ちてしまって彼の方に行ってしまったんだ」
「車間を空けようとした事自体は良かったけど、あのコンディションでは期待していたグリップが得られず滑って接触してしまい、彼のレースも台無しにしてしまった。僕の方もクルマにダメージを負って、その後の60周は苦しいレースだった」
リカルドはレース後、謝罪のためにサインツの元に向かった。サインツはその時の様子を次のように説明した。
「彼も辛かっただろうに、レース後にまず真っ先にしたのはフェラーリのホスピタリティに来て謝った事だった」
「そこには僕だけでなくエンジニア全員がいた。僕らは皆、彼が意思表示してくれた事をありがたく思っている」
「あれはアスリートとして、そしてスポーツマンとしてのダニエルを高めるものだった」
「だからダニエルには何の恨みもないんだ。彼に起きたことは誰にでも起こり得ることだったんだから」
4月24日(日)にイモラ・サーキットで行われた2022年F1第4戦エミリア・ロマーニャ・グランプリ決勝レースでは、ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペンが通算22勝目を上げ、2位にセルジオ・ペレスが入った事で、レッドブルが6年ぶりの1-2フィニッシュを果たした。
マイアミ・インターナショナル・オートドロームを舞台とする次戦マイアミGPは5月6日のフリー走行1で幕を開ける。