F1王者アロンソ、ダカール2日目にサス破損…大きく後退も「まだラリーは終わっていない」

ダカールラリー仕様のトヨタ・ハイラックスに乗り込むフェルナンド・アロンソCourtesy Of TOYOTA MOTOR CORPORATION

42回目の開催を迎えた伝統のラリーレイド「ダカールラリー2020」が1月5日(日)に新天地サウジアラビアで開幕を迎え、F1ワールドチャンピオンのフェルナンド・アロンソが、2連覇を目指すTOYOTA GAZOO Racingから参戦。順調な出だしを切ったものの、現地6日(月)のステージ2を終えて大きく後退を強いられた。

デイトナ24時間レースとル・マン24時間レースの覇者であり、FIA世界耐久選手権(WEC)のチャンピオンにも輝いたアロンソは、6度のFIMクロスカントリー世界チャンピオンにして、2輪車部門で5度のダカール優勝という輝かしい経歴を持つコマとコンビを組み、トヨタのワークスチームの一員として初めてダカールラリーへの参戦を果たした。

トヨタ・ハイラックスを駆るのはアロンソを含めた全4台。昨年の覇者アル-アティヤ/ボーメル組に加えて、2009年のダカールラリーウィナーであり、前哨戦のラリー・モロッコを制したド・ヴィリエール/ハロ組、そしてテン・ブリンク/コルソール組が名を連ねる。1月5日のスタートに先立って、4台のトヨタ・ハイラックスは、イベントのスタート地となるサウジアラビア・ジェッダ南部の砂漠地帯で元旦からシェイクダウンを実施した。

1月5日の初日のステージ1は、西部の都市ジェッダをスタートとして、アル・ワジまでの紅海沿岸を北上する総走行距離752kmのコース。そのうちスペシャルステージは319kmで、砂丘や高速かつ曲がりくねったコースなど、「ミニ・ダカール」とも呼べるバラエティに富んだ路面で競われた。

初開催の地ということもあり、トヨタ勢はこの日、4台で計11回に及ぶパンクに見舞われた。序盤をリードしたアル-アティヤ/ボーメル組300号車は序盤をリードするも、終盤に3連続のパンクを喫して4位。テン・ブリンク/コルソール組307号車は、2度のパンクに見舞われ5位。4度のパンクに見舞われたド・ヴィリエール/ハロ組304号車が14位で、ダカールラリー初のスペシャルステージに臨んだアロンソとコマは、2度のパンクを喫して首位から15分27秒遅れの総合11位で初日を終えた。

6日のステージ2は、アル・ワジから近代都市ネオムへと向かう総走行距離393kmのうち367kmがスペシャルステージ。固い路面が多く、初日以上にパンクのリスクが高いコースであったが、ド・ヴィリエール/ハロ組が素晴らしい走りをみせ、今大会初となるステージ勝利を飾った。

アル-アティヤ/ボーメル組はこの日も3度のパンクに見舞われるも、ステージ5位でフィニッシュし、総合ではチーム最上位、首位から6分7秒遅れの3位につけた。テン・ブリンク/コルソール組は、4度のパンクのために最終盤にスペアタイヤを使い切った状況で走ることを余儀なくされ、総合10位へと後退した。

アロンソ/コマ組は最初のチェックポイントを3番手の速さで通過し、中盤まではトップ10圏内の速さを見せていたものの、前走車の巻き上げる埃により視界が悪化。コース上の穴でサスペンションを破損してしまい、修復のために2時間34分もの時間を要する事となった。

これにより総合47位へと大きく後退したアロンソだが「ラリーはまだ終わっていない」と語り、巻き返しを誓った。

「ようやくダカールラリーのスタートを迎えることができて最高の気分だ」とアロンソ。「今日は結果的には良い一日とは言えないけど、感触は悪くなかった。僕らはハイラックスで好ペースを刻んでいたし、マルクのナビゲーションも的確だったからね」

「それに、アクシデントでフロントサスペンションを破損したことで、2時間以上のタイムロスを強いられたけど、それまでは全てが順調だったんだ。幸運にも僕らのダカールラリーはまだ終わったわけではない。明日以降も、一日一日挑戦を続けていくつもりだ」

今年のダカールラリーは、サウジアラビア1国のみを舞台として行われ、中間に休息日を挟んだ12ステージ13日間、総走行距離約7,900kmにわたって争われる。

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