カピートのウィリアムズF1離脱、シーズン後半開始以前に決定か

ウィリアムズのヨースト・カピートCEO、2021年7月3日F1オーストリアGPにてCourtesy Of Williams

ウィリアムズのチーム代表兼CEOを務めるヨースト・カピートの退社は2022年の夏の時点、つまりシーズン後半開始以前の段階で既に決定事項だった可能性がある。

世界ラリー選手権(WRC)でのフォルクスワーゲンの4年連続ダブルタイトル獲得を含む数々の成功を経て、64歳のドイツ人モータースポーツマネージャーは2021年2月よりウィリアムズでの職務を開始したものの、僅か2年でチームを去る事が発表された。

Courtesy Of Williams

談笑するウィリアムズのヨースト・カピートCEOとアレックス・アルボン、2022年7月23日F1フランスGP

チームオーナーの米投資会社ドリルトン・キャピタルのマシュー・サベージ会長から与えられた使命は「グリッド先頭に返り咲く」というものだった。

到底2年で達成でき得るものではなく、カピートは長期的な視野でプロジェクトを進めていたものと思われ、道半ばでの退職であろうことは想像に難くない。

BBCはチームに近い筋からの情報として、ドリルトンがカピートとの契約を更新しない事を決めたのは今夏の事だったと伝えた。つまり今回の人事異動はカピート側の事情によるものではない可能性がある。

チームを去るのはカピートだけではない。2021年の開幕バーレーンGPを前にカピートによってテクニカル・ディレクターとして迎え入れられたフランソワ=グザビエ・ドゥメゾンもまたウィリアムズを離脱する。

要となる上層部の人間が一度に2人もチームを離れるという事実はウィリアムズ内部、あるいは投資家の間で何らかの問題が生じている可能性を示唆するものだが、2人の退職の理由は明らかにされておらず、また、後任が決まっていないというのも懸念されるところだ。

改革を推し進めるカピートに対する抵抗勢力がチーム内にあったとも伝えられているが、それが離脱の理由かどうかは分かっていない。

F1パワーユニット・サプライヤーとしての参戦が取り沙汰されているポルシェやフォードに在籍していたという事実、そして2026年からの参戦が決まっているアウディがフォルクスワーゲン傘下に属する事などから、カピートのウィリアムズ離脱は様々な憶測を呼ぶ事になるかもしれない。

カピート体制下のウィリアムズによってレッドブルから引き抜かれたアレックス・アルボンは「共に仕事に取り組んだのはたった1年だったけど、あなたはその間にチーム代表というだけでなく、素晴らしい友人にもなってくれた」とのコメントを寄せた。

「シーズンを通して僕を信頼してくれたこと、そして支えてくれたことに感謝してる。今後の活躍を祈っている」

また、カピートによってアカデミープログラムからF1へと抜擢されたローガン・サージェントは「ヨースト、アカデミー時代を通して僕を信じ、F1への到達を支えてくれた事に感謝したい」と語った。

「彼のおかげで僕は自分のポテンシャルを示し、F2でレースをする機会を得る事ができた。彼は素晴らしいチームリーダーであり続けた。この先、何をするにせよ、彼の成功を祈ってる」

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