セルジオ・ペレスが敗れた3つの要因 、リードを奪いファステストを刻むもフェルスタッペンに敗北
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レッドブルのセルジオ・ペレスは6月12日のF1第8戦アゼルバイジャンGPで一旦はトップに立ち、最終的にはフェラーリの2台がリタイヤしたにも関わらず僚友マックス・フェルスタッペンに破れ、モナコに続く2連勝を夢を叶える事はできなかった。
スタート直後にリードを奪ったペレスは、最初の3ラップでライバルよりもコンマ5秒近くも速いペースを刻み、一気に後続を引き離した。更に36周目には1分46秒046のファステストラップを記録。ボーナスの1点をもぎ取る速さを見せたが、それを勝利に結びつける事はできなかった。
敗因はなにか?と問われたペレスは開口一番、1回目のバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された際に「コミュニケーションの齟齬」があり、それによってアドバンテージを得るチャンスを失ってしまったと答えた。
「決めるのはチームだけど、あの時はピットインの是非を検討できる情報が僕にはなかったんだ。チームから聞いた時には既に遅すぎてピットインできなかった」
2点目に挙げたのは第1スティントに履いたミディアムタイヤのデグラデーションだった。ペレスは「デグはかなり酷かった。原因について調べて理解する必要がある。マックスの方はミディアムタイヤでかなり力強いペースを刻んでいたからね」と語った。
この点についてクリスチャン・ホーナー代表は、ペレスのリアタイヤにかなり酷いデグラデーションがあった事を認めて「予選に重点を置きすぎたが故のものかもしれない。そのあたりは見直す必要がある」と説明した。
結局のところは詳しい分析が必要だとしながらも、ミディアムでのペースがガクッと落ちたのはVSCによってタイヤが冷えた影響だろうとペレスは考えている。
「今のところ、タイヤを酷使したとは感じていない。確かにペースを失ったのはVSC後の再スタートの時だった。その段階までは上手くいっていたように思うんだけどね」
温度との関連性について問われるとペレスは「なにか関係があると思う。たぶん、タイヤの温度が少し下がって、それと同時に幾らか摩耗したんだと思う」と答えた。
ペレスがリードを奪われたのは、ピットウォールからの「戦うな」とのチームオーダーを経てターン1でフェルスタッペンに先行を許したためだが、ペレスはこれを敗因とはみなしていない。
「あの時の僕はペースを欠いていたし、マックスは先行するに値する速さがあったから、戦うなとのコールは適切だった」
「ピットストップでも遅れがあったし、幾つかの事柄が結果に影響を与えたとは言え、結局のところ、今日のマックスは勝利に値する働きをしたと思う。彼のクルマの方が速かったわけだからね」
6月12日(日)にバクー市街地コースで行われた2022年F1第8戦アゼルバイジャングランプリ決勝レースでは、3番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペンが今季5勝目を飾った。2位にセルジオ・ペレスが続き、レッドブルが1-2を達成。3位表彰台にはジョージ・ラッセル(メルセデス)が滑り込んだ。
ジル・ビルヌーブ・サーキットを舞台とする次戦カナダGPは6月18日のフリー走行1で幕を開ける。