アルピーヌF1、ピアストリ提訴は「90%以上確実」2023年搭乗拒否の場合
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リザーブドライバーのオスカー・ピアストリが2023年にアルピーヌのF1マシンをドライブする事を拒否した場合、オトマー・サフナウアー代表は「90%以上」の確率で提訴すると警告した。
寝耳に水のフェルナンド・アロンソのアストンマーチン移籍発表を受け英国エンストンのチームは、その後任に21歳のオーストラリア人ドライバーを起用すると発表したものの、ピアストリ本人はこれを否定した。
サフナウアーはロイターとのインタビューの中で「高等裁判所に持ち込む事になるのは90%以上確実だ」と述べ、サマーブレイク中に法廷闘争のための準備を進めている事をうかがわせた。
アルピーヌを相手にコンストラクターランキング4位を争うマクラーレンはダニエル・リカルドに対し、来季末まで残る契約を途中解除して、後任にピアストリを起用する方針を伝えたとされる。
F1には国際自動車連盟(FIA)が運営する契約承認委員会(CRB)という独立した組織が存在する。これはF1ドライバーの契約関係を精査するためのもので、アルピーヌとの現行契約があるにも関わらずCRBは、ピアストリとマクラーレンとの契約を法的に有効と判断したと伝えられている。
その一方でアルピーヌは、ピアストリとの契約が有効である事を示す証拠書類をCRBに提出する用意があるとも取り沙汰されている。
サウナウアーは「仮にCRBが『あなたのライセンスはアルピーヌでのみ有効だ』と言ったとして、それに対してピアストリが『それでも構わないが、僕はアルピーヌでは絶対にドライブしないから、1年間欠場する』と言うなら、高裁に損害賠償の訴えを起こさなければならなくなる」と付け加えた。
サウナウアーの言う「損害」は、ピアストリのF1デビューのためにアルピーヌが費やしてきた数億円単位に及ぶ支援の数々に依るものだ。
サウナウアーは「El Confidencial」とのインタビューの中で「彼のために文字通り何百万ユーロも投資してきたのだから、それなりの忠誠心があって然るべきだ」と不満をあらわにした。
「私は1989年にF1でのキャリアをスタートさせたが、こんな事態はお目にかかった事がない。これはF1というよりも、人としての誠実さという話だ」
「まずはオスカーとの法的な関係を確認してみよう。契約では、多額の投資によってF1までの彼のキャリアをサポートする、という内容になっている」
「何よりシングルシーターで3,500km走った昨年の件を考慮に入れる必要がある」
「彼とのテストは7回に及んだ。これは決して安いものではない。エンジンのコストだけで175万ユーロかかるんだ。これに加えてメカニックやテストチームの人件費、飛行機や旅費といったものが加わってくる」
「我々はピアストリの将来のために莫大な資金を費やしてきた。もしその将来が我々と一緒でないならば、補償を求めるのは論理的かつ公平なことだ」