アルピーヌF1、2021年若手育成ラインナップを発表…好敵手チームでのF1デビューも視野
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リブランドに伴いルノー・スポール・アカデミー改め「アルピーヌ・アカデミー」へと改称したアルピーヌF1チームの若手育成プログラムが、2021年のドライバーラインナップを発表した。
6年目を迎えた旧ルノーのF1サポートプログラムにはクリスチャン・ルンガー、周冠宇、オスカー・ピアストリ、カイオ・コレットの従来のメンバーに加えて、新たにビクター・マルティンスが加入した。
アカデミー3年目を迎える中国出身の21歳、周冠宇は、昨年のF2ロシアで中国人ドライバーとして初めて国際的なシングルシーターレースで勝利を収めた。今季もユニ-ヴィルトゥオーシ・レーシングからFIA-F2選手権に参戦する。
最長となるアカデミー5年目を迎える19歳のデンマーク人ドライバー、クリスチャン・ルンガーは、優勝2回、表彰台4回を獲得した印象的なルーキーシーズンを経て、ARTグランプリから自身2年目のFIA-F2選手権に参戦する。
クリスチャン・ルンガー
FIA-F3選手権チャンピオンに輝いたオスカー・ピアストリは、ディフェンディング王者のプレマ・レーシングからFIA-F2選手権にデビューする。
オスカー・ピアストリ
昨年のフォーミュラ・ルノー・ユーロカップ王者に輝いたビクター・マルティンスはフランス・ヴァレンヌ=ジャルシー生まれの19歳で、2018年1月に旧ルノー・アカデミーに加わったものの2年後に契約解除となり、アカデミー入りは今回が2度目という異例のドライバーだ。シリーズ2位に終わったブラジル出身の18歳、カイオ・コレットと共にMPモータースポーツからFIA-F3選手権へとステップアップする。
ビクター・マルティンス
カイオ・コレット
アルピーヌはフェラーリやレッドブルと並び、ジュニアプログラムに最も注力しているF1チームの1つだが、ライバルとは異なりジュニアチームやカスタマーチームを持ち合わせていない。
アルピーヌ・カーズのローラン・ロッシCEOが「アカデミーの目標は将来のF1チャンピオンを育てること」と述べるように、同アカデミーの目的は育成ドライバーのF1デビューにあるものの、マクラーレンというカスタマーを失ったアルピーヌが持つF1シートは2つのみだ。
エステバン・オコンは今季末までの契約だが、フェルナンド・アロンソは2022年まで契約を結んでおりシートには限りがある。仮に今季F2に参戦する3名の若武者がチャンピオンシップ獲得を含む好成績を挙げたとしても、チームがF1でのシートを用意する事は簡単ではない。
アルピーヌ・アカデミーのディレクターを務めるミア・シャリズマンはこの点について、パワーユニット供給の有無に関わらず、2022年に向けて他のF1チームのシートを用意する可能性を認めた。曰く「様々なチームと積極的に話し合いを重ねている」という。