F1サウジの新コース「キディヤ・スピードパーク・トラック」公開、目玉は20階建ての高さのターン1”ブレード”
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ジェッダ市街地コースに代わり、将来的にF1サウジアラビアGPの舞台を担う新たなサーキット「キディヤ・スピードパーク・トラック(Qiddiya Speed Park Track)」の建設が正式に発表された。
サウジアラビア政府当局は元々、リヤド南西のキディヤに常設サーキットの建設を計画していたが、2021年の初開催に間に合わないため、ジェッダ中心部のコーニッシュエリアにストリートサーキットを建設。これまでに3回のグランプリが行われた。
現時点では少なくとも2027年までジェッダでグランプリが開催される見通しだが、キディヤ・スピードパーク・トラックはサウジアラビア政府が掲げる「ビジョン2030」の3大プロジェクトの一つとして進められているキディヤ開発計画の中心に据えられており、将来的にグランプリレースの会場はジェッダからキディヤに変更される。
キディヤ投資会社(QIC)は2024年3月5日(火)、「モータースポーツの頂点を目指す画期的な新しいレース場」としてキディヤ・スピードパーク・トラックを建設する事を明らかにすると共に、幾つかのレンダリングイメージを公開した。
この高速コースはF1ドライバーのアレックス・ブルツの協力の下、ドイツのサーキットデザイナー、ヘルマン・ティルケが設計を手掛ける。全長は公表されていないが、21のコーナーを備え、市街のドラマチックな景観を背景に、1周を通して108m以上の標高差が設けられる計画だ。
目玉は、音楽会場の上にそびえ立つ「ブレイド(blade)」と呼ばれるターン1で、20階建てのビルほどの高さに配置される。その異例なレイアウトはページ下部の動画が詳しい。どのようにして安全基準を満たし、F1開催に必要な国際自動車連盟(FIA)のグレード1規格を取得するのか興味深い。
全体としては、水をテーマとしたテーマパークや、世界一高く速いジェットコースターなど、近隣のアトラクションと「完全に統合」される形で、常設の高速セクションと市街地区間が組み合わされる。
スピードパーク・トラックについてキディヤ投資会社のマネージング・ディレクターを務めるアブドゥラ・アルダウッドは「キディヤの”Power of Play”の哲学を具現化するものであり、キディヤ市をサウジアラビアのモータースポーツの本拠地として、また世界有数のモータースポーツ会場の一つとして位置づけるものだ」と語った。
「これはドライバーのためにドライバーにより設計された世界最高峰のモータースポーツイベントを開催するための画期的なコースであり、来場者と観客は世界で最もユニークなレース体験の一つを味わうことができるだろう」