ウィリアムズF1、サンタンデール銀行との複数年契約を発表―移籍サインツと共にフェラーリから鞍替え
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カルロス・サインツがウィリアムズにもたらすのは、F1での豊富な経験と実績、トップドライバーとしての腕だけではない。世界中に1億7100万人の顧客を持つスペインの大手商業銀行、サンタンデールは、サインツと共に英国グローブのチームに移る。
2024年のF1最終アブダビGPから一夜明けた12月9日、ウィリアムズはサンタンデールとの2025年からの複数年契約を発表した。世界最大規模の時価総額を誇るサンタンデールは今年8月、3年間にわたるスクーデリア・フェラーリとのパートナーシップを終了すると発表した。
ウィリアムズとの提携についてサンタンデールのフアン・マヌエル・センドヤ氏は「顧客に特別な体験を提供し続けるとともに、カルロス・サインツの新たなステージでの活動を支援し続けることができる」と述べた。
この提携によりサンタンデールは、特に3つのグランプリレースが開催されるアメリカ市場での認知度向上を目指す。また、ファン向けの取り組みとして、F1パドックやドライバーイベントへのアクセスを含む独占的な体験を提供する予定だ。
契約の一環としてウィリアムズは、サンタンデールおよび子会社のオープンバンクのロゴを2025年型ウィリアムズFW47に掲出する。さらに、12月10日(火)にヤス・マリーナ・サーキットで行われるポストシーズン・テストにおいても、2024年型FW46にサンタンデールのロゴを掲出する。
ウィリアムズは2024年シーズンをコンストラクターズ選手権9位で終えた。獲得ポイントはわずか17点に留まった。一方で、チーム代表のジェームズ・ヴァウルズは、将来的にチャンピオンシップ争いに加わることを目指すべく、様々な分野で強化を図っている。
商業面では最近、米国の大手電池メーカーであるデュラセル、米国の石油大手ガルフ・オイル・インターナショナル、米国の暗号通貨取引所クラーケン、そして自律走行車の開発を手掛けるAmazonの子会社ズークスとの提携を発表した。
サインツは、アブダビでのフェラーリでのラストレースを2位表彰台で締め括った後、月曜日にフィルミングデーを利用して初めてウィリアムズをドライブした。火曜のポストシーズン・テストではルーク・ブラウニングとともにFW46での作業を担当する。
フェラーリでの最後の週末についてサインツは、「感傷的」になったと認め、涙したことを仄めかしたが、同時に、日曜のレース終盤にはすでに、ウィリアムズに意識が向かっていたと明かした。
「正直に言うと、最後の数周、チームのために全力でプッシュしていたけど、クルマの中でいろいろと感じるものがあって、それで自分にこう言い聞かせていた。『この感触を覚えておけ。明日と火曜には、このコーナーでどうしてこのクルマが速いのか、なぜこんなに感触が良いのかを思い出す必要があるからだ』ってね」とサインツは語った。
「要は、僕はすでに未来にも目を向けていて、これからの挑戦を本当に楽しみにしてるってことだ。今日は赤色を身にまとう最後の1日だから、チームのみんなと目一杯、楽しむつもりだ。マラネッロではまだあと数日過ごすことになるけど、僕のレーシングスピリットはすでに月曜と火曜に向かっていて、ウィリアムズのクルマをどう速くできるかを考え始めている」