トラックリミット判定覆る珍事「遅すぎだ」不満をにじませるペレスとピアストリ―その余波と代償
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セルジオ・ペレス(レッドブル)とオスカー・ピアストリ(マクラーレン)は2024年F1アブダビGP予選で、一度はトラックリミットの判定が下されながらも、その後、撤回される災難に見舞われたことについて、パフォーマンスが損なわれたと不満を表明した。
最終アブダビGPのグリッド争いでは、2度に渡ってトラックリミット判定が覆されるという非常に稀なケースが発生した。
ペレスのケースは、予選Q1の最初のフライングラップで発生した。ターン1での走路外走行が指摘され、ラップタイムが削除された結果、ペレスはQ1敗退の危機に直面。新品タイヤをもう1セット使用して再度アタックに出た。だが、最初の決定から約7分後にスチュワードが判定を覆し、元のラップタイムが有効とされた。
ペレスは、「Q1の最初のラップが取り消された結果、僕らは1セットを失った。その後になってタイムが復活したと言われたけど、遅すぎだ」と不満を表明し、誤判定によって最終Q3で使用可能な新品タイヤを1セット失ったことがリザルトに「痛手」を与えたと主張した。
「すでに新品タイヤを履いてコースに出た後だったんだ。残念だ。セッションが損なわれてしまった」とペレスは語った。
ピアストリのケースは予選Q3で発生した。最初のフライングラップがターン1でのトラックリミット違反を理由に抹消されたが、その約3分後にスチュワードの判定が覆り、元のラップタイムが復活した。この間、ピアストリは最終アタックに向けた準備を進めていた。
ただ、ペレスのケースとは異なり、ピアストリは元々もう1セットのタイヤを使ってタイムを計測する計画であったため、タイヤ戦略に直接的な影響はなかった。それでも、判定の混乱が心理的な負担を与えた可能性は否めない。
この件についてピアストリは、バンカーラップが戻ったことで、最終アタックに向けて幾らか攻めた走りができたとする一方、誤判定がなければ「もっとアグレッシブに走れていたかもしれない」として「理想的な状況とは言えなかった」と指摘し、「少しストレスの多い数分間」を過ごしたと振り返った。
最終的にピアストリは、僚友ランド・ノリスに0.209秒及ばず2番手に終わった。
ピアストリは「本当はもっと攻めるべきだったけど、意図せず余分なマージンを取ってしまった。ターン1でかなりのタイムを失ったのは残念だ」と振り返り、最終アタックのターン1で慎重に行き過ぎたと説明した。
2024年F1アブダビGP予選では、ランド・ノリスがポールポジションを獲得。2番手にオスカー・ピアストリが続き、マクラーレンが最前列を独占した。3番手にはカルロス・サインツ(フェラーリ)が続いた。
決勝レースは日本時間12月8日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周5,281mのヤス・マリーナ・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。