オコンのクラッシュで赤旗終了…ホンダ勢はギャップ縮めて3台がトップ10 / F1スペインGP《FP3》結果とダイジェスト

ルノーのエステバン・オコン、2020年F1スペインGPにてcopyright Renault

2020 F1第6戦スペインGP土曜3回目のフリー走行が現地8月15日にカタロニア・サーキットで1時間に渡って行われ、ルイス・ハミルトンが1分17秒222を記録。2番手につけたバルテリ・ボッタスを0.151秒差で退け、公式予選前最後のプラクティス走行でタイムシート最上部につけた。

3番手はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。FP1では0.9秒差、FP2では0.8秒差となっていたメルセデスとのギャップを0.5秒にまで縮めてきた。フェルスタッペンは「最終コーナーでパワーが切れた」と訴え、エンジニアから「分かってる。ウルトラスローラップで頼む。まだ予選じゃないんだから」と諭される場面もあった。

4番手には、セルジオ・ペレス(レーシングポイント)を抑えた地元の英雄、マクラーレンのカルロス・サインツが続いた。英国ウォーキングのチームはサインツ車のオーバーヒートの問題を解決すべく、モノコックを交換して週末に臨んでいるが、依然として解決には至っていない。土曜に先立ってはICE(内燃エンジン)、ターボチャージャー、MGU-H、MGU-Kを交換した。

グランプリ2日目を迎えた現地バルセロナは雲ひとつない晴天に恵まれ、予選結果を占うセッションは気温30.2℃、路面44.3℃のドライコンディションでスタートした。照りつける日差しが路面温度を更に上昇させ、セッション終盤には47℃にまで達した。

こうした暑いコンディションにおいてはタイヤの熱管理が肝となる。メルセデスはボッタスに対し、アウトラップのタイヤマネジメントとして、日陰の部分を走行してマシンを冷却するよう指示していた。

初日は目立ったアクシデントもなく平穏な時が流れていたが、FP3では今週末初のレッドフラッグが振られた。

残り2分、ケビン・マグヌッセン(ハース)が予期せずブレーキを踏み、後方を走っていたエステバン・オコン(ルノー)が衝突を避けるべく回避行動を取った。ハードブレーキングと急なステアリング操作のためにR.S.20は挙動を乱しターン3で壁に激突。フロントエンドを中心にマシンは大きなダメージを負った。オコンは、更に後方から迫るウィリアムズのマシンをミラーで目視していたために反応が遅れた。

幸いにもオコンは無事で自力でコックピットから降り、メディカルカーに乗ってパドックへと戻っていった。セッションは赤旗中断のままに終了。一件は審議の対象となったが、スチュワードは不運な事故だとして、お咎めなしの裁定を下した。予選開始までは2時間足らず。クルマを修復するための時間は限られている。

ハース勢は前日までの勢い何処にといった様子で、ロマン・グロージャンが13番手、マグヌッセンは17番手に終わった。

FIAテクニカルデリゲートのジョー・バウアーの報告によると、初日を終えて日付変わった15日(土)深夜1時から朝9時までの8時間に渡って、ハースのメカニックがサーキット内に留まっていたという。カーフュー(深夜作業禁止令)を破ってグロージャンのパワーユニットの交換作業に取り組んでいたものと見られる。

FIAは、ハースがFP3に先立って今季2基目となるICE(内燃エンジン)、ターボチャージャー、MGU-H、CE(コントロール・エレクトロニクス)を8号車VF-20に投入した事を明らかにした。降格ペナルティはない。初日FP2で歓喜と困惑の5番手タイムを刻んだまでは良かったが、グロージャンはセッション終盤にパワーダウンを訴え、予定よりも早くガレージへと戻っていた。

ホンダエンジン勢はアルファタウリのダニール・クビアトを除く3台がトップ10に入った。アレックス・アルボンは僚友から0.6秒遅れの9番手と、前日よりもギャップを縮めたが、ピエール・ガスリーは7番手。またも姉妹チームのマシンに遅れを取った。クビアトは16番手でヘルメットを脱いだ。

暑さゆえ、タイム計測のためのスローダウンラップに時間を掛けるマシンが多く、コース上は常に混雑していた。ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)はフェルスタッペンに走行を妨害されたとして「アイツは色んなドライバーに”ブロックされた”とか不満を言うけど、自分だってそうじゃないか!」と息巻いた。

2020年F1スペイングランプリ公式予選は、日本時間8月15日(土)22時から全3ラウンド、計1時間に渡ってカタロニア・サーキットにて行われる。

2020年F1第6戦スペインGPフリー走行3(FP3)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:17.222 12
2 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:17.373 +0.151 13
3 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:17.737 +0.515 10
4 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 1:18.046 +0.824 18
5 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 1:18.096 +0.874 16
6 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:18.193 +0.971 15
7 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:18.211 +0.989 13
8 18 ランス・ストロール レーシングポイント 1:18.309 +1.087 16
9 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 1:18.371 +1.149 13
10 3 ダニエル・リカルド ルノー 1:18.384 +1.162 12
11 31 エステバン・オコン ルノー 1:18.602 +1.380 18
12 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:18.707 +1.485 15
13 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 1:18.710 +1.488 14
14 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 1:18.721 +1.499 11
15 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 1:18.803 +1.581 23
16 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 1:18.852 +1.630 15
17 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:18.940 +1.718 15
18 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 1:19.175 +1.953 13
19 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:19.297 +2.075 16
20 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:19.764 +2.542 16

コンディション

天気晴れ
気温30.2℃
路面温度44.3℃

セッション概要

グランプリ名 F1スペインGP
セッション種別 フリー走行3
セッション開始日時

サーキット

名称 カタロニア・サーキット
設立 1991年
全長 4657m
コーナー数 14
周回方向 時計回り

F1スペインGP特集

この記事をシェアする

モバイルバージョンを終了