F1マシンに使用する燃料
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F1レギュレーション解説「燃料 & 給油編」

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F1レギュレーションの中から、燃料及び給油に関連する主だったルールを厳選しその要点を以下にまとめる。

燃料と給油に関連する主なルール

  • 決勝で使用可能な燃料は110kg以下
  • 燃料流量は一時間に110kgまで。制限を超えた場合は失格
  • 決勝中の燃料補給及び抜き取りは禁止。予選・フリー走行では0.8L/秒の速度でならOK
  • 流量センサーの仕様と製造者はFIAが指定
  • インジェクションへの供給燃圧は500bar以下
  • 一般商用燃料と同じような化合物で構成されたガソリンを使用
  • 特定の動力増強化合物の使用は禁止
  • 分析と承認のために、各イベント前に5リットルのサンプルを2つFIAに提出
  • FIA提出用に、車両には常に最低1リッターの燃料を確保する事
  • タンクはFIA公認企業が製造した特定材質を使用し、継ぎ目のないゴム製素材で構成
  • タンクはエンジン前方かつコックピット後方に設置。事故発生の際には、燃料ラインがセルフシールされる事
  • タンクはサバイバルセルを形成する圧壊可能な構造内に収容し、高い衝撃荷重性を備える事

当初は100kgであった燃料量だが、スピード向上の観点から2017年に105kgへと増加され、2019年には110kgに変更された。

2020年には大量の燃料をタンク外に隠し持つことでアドバンテージを得ようとする行為を禁止すべく、従来はサバイバルセルの外側に保管して良い燃料を2リットルと定めていたが、これを0.25リットルに削減すると共に、その全てを「エンジンの通常稼働」にのみ使用する事と定めた。なおこれとは別に技術指令書によるルール変更として、燃料タンク内の燃料流用計測センサーの数が従来の1個から2個へと増やされ、監視の目が一層厳しくなった。

手短に2022年のF1レギュレーションを知りたい方は「2022年F1ルール主要変更点のまとめ」を、より詳しくルールの全体像を知りたい方は「F1ルール完全網羅版」を参照されたい。