赤旗と激変のQ3決戦を経てラッセルがポール!角田7番手と健闘も宿敵ガスリーは3番手 / F1ラスベガスGP 2024《予選》結果と詳報
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2024年シーズンのFIA-F1世界選手権22戦ラスベガスGPの予選が現地11月22日(金)に行われ、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がキャリア通算4回目のポールポジションを獲得した。角田裕毅(RB)は7番グリッドを持ち帰った。
Q3最初のラップを終えてラッセルが後続にコンマ2秒以上の大差をつけたため、ポールは揺るぎないかと思われたが、Q3の最終ラップは次から次へとベストラップが塗り替えられる大どんでん返しの連続となった。
まずはマクラーレンの2台がベンチマークを塗り替えると、週末を通して影を潜めていたフェラーリが突如、ワンツーを占拠。すると、その直後にピエール・ガスリー(アルピーヌ)がその間に割って入り、パドックを沸かせた。
暫定ポールに立ったカルロス・サインツ(フェラーリ)のリードは0.254秒と大きく、これで決まりかと思いきや、ラッセルが最後の最後に1000分の98秒速くフィニッシュラインを駆け抜けた。
この結果についてラッセルは「本当に驚いている」と語り、何が要因か分からないため徹底的に掘り下げて調査する必要があると指摘した。また、最初のラップで壁を擦ったことでフロントウイングの交換が必要となり、一時はチェッカーフラッグまでにラップを開始できるかどうか不安を抱いていたと明かした。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はシャルル・ルクレール(フェラーリ)に0.014秒及ばず2列目を逃したが、それでもタイトル争いのライバル、ランド・ノリス(マクラーレン)を抑えて5番手を持ち帰った。
熾烈なコンストラクターズ選手権6位争いを繰り広げるアルピーヌ、ハース、RBはそれぞれ1台をQ3に送り込み、まずはアルピーヌが先行した。
トップから僅かコンマ3秒差の3番手を獲得したガスリーは「信じられない!予選でトップ3なんて思ってもみなかった。良いラップだとは思ったけど、無線で3番手と言われて本当に驚いたし、兎に角、最高の気分だよ」と満面の笑みを見せた。
週末を通して僚友リアム・ローソンを圧倒していた角田裕毅は、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)を交わして7番手を記録し、9番手に留まったニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)を上回るグリッドを確保した。
初日をトップで締め括ったルイス・ハミルトン(メルセデス)は、真っ当なタイムを残せず10番手に沈んだ。
予選Q1:アストンマーチンとペレスが敗退
路面の改善は著しく、タイムシートは慌ただしく入れ替わった。寒いコンディションとコース特性上、タイヤを機能させることができるかどうかが最大の鍵となる中、チーム毎にタイヤの準備方法に違いが見られた。
角田裕毅は1セット目を終えて、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)を1000分の6秒差で抑える8番手を記録した。ローソンは0.59秒遅れの14番手につけた。
2セット目のソフトを投じた最終ラップでも角田裕毅は自己ベストを更新し、ヒュルケンベルグを抑えて10番手をマークした。ハース勢は中団勢の中で唯一、ソフトタイヤを1セットに抑えてQ2に進出した。
フェルスタッペンが3番手を刻んだ一方、セルジオ・ペレスは1000分の68秒差でローソンに蹴落とされ、痛恨の16番手Q1ノックアウトに終わった。ペレスは今年、8回に渡ってQ3進出を逃しており、Q1敗退は5回目となる。
フランコ・コラピントは9番手でQ2に進出したが、ウィリアムズの僚友アレックス・アルボンは、最後のアタックでターン4のトラックリミットがあり、タイムを抹消され18番手に終わった。
FP3でERS(エネルギー回生システム)のトラブルに見舞われたランス・ストロールは、予選に向けてバッテリーを交換。セッション最終盤に何とかコースインしたものの、競争力あるラップを刻めず20番手に終わった。アロンソも17番手と、アストンは全チームの中で唯一、ダブルQ1敗退を喫した。
週末全てのプラクティスを制覇したメルセデスは、Q1でもタイムシートのトップを占拠。ラッセルがハミルトンを1000分の39秒リードした。
予選Q2:コラピントが赤旗クラッシュ
ハースはQ1で温存した新品ソフトを2セット投入した。RBは1セット目に中古タイヤを投じ、角田裕毅はハース勢に割って入る6番手を記録。最終ラップでノリスを0.01秒抑えて8番手をマークしたが、ローソンはラップをまとめられず、1.168秒遅れの15番手でノックアウトした。
フェラーリ勢は他のチームとは異なる戦略を採った。1回目のラップを終えてライバルがガレージに戻ったタイミングでコースに入り、サインツが2番手、ルクレールが5番手を記録した。
チェッカーフラッグが振られる寸前、コラピントが最終セクターで大クラッシュを喫した。セッションは即時赤旗終了となり、ウィリアムズFW46は見るも無惨な姿に成り果てた。
リプレイを見る限り、凡ミスによってターン15のイン側に接触し、サスペンションを破損したことが原因と思われる。メディカルカーが導入されたため、少なくともその衝撃は25Gに達していたが、幸いにもコラピントは自力でクルマから降りた。
ターン16のバリアの修復に時間を要したため、Q3は21分遅れで開始された。
決勝レースは日本時間11月23日(日)39時にフォーメーションラップが開始され、1周6201mのラスベガス市街地コースを50周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。
2024年F1第22戦ラスベガスGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
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1 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:33.186 | 1:32.779 | 1:32.312 | 25 |
2 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:33.484 | 1:32.711 | 1:32.410 | 24 |
3 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 1:33.691 | 1:32.879 | 1:32.664 | 25 |
4 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:33.446 | 1:33.016 | 1:32.783 | 23 |
5 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:33.299 | 1:33.085 | 1:32.797 | 21 |
6 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:33.592 | 1:33.099 | 1:33.008 | 20 |
7 | 22 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 1:33.789 | 1:33.089 | 1:33.029 | 25 |
8 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 1:33.450 | 1:33.024 | 1:33.033 | 21 |
9 | 27 | ヒュルケンベルグ | ハース | 1:33.920 | 1:33.114 | 1:33.062 | 17 |
10 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:33.225 | 1:32.567 | 1:48.106 | 24 |
11 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:33.968 | 1:33.221 | 18 | |
12 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:33.991 | 1:33.297 | 12 | |
13 | 24 | 周冠宇 | ザウバー | 1:34.079 | 1:33.566 | 17 | |
14 | 43 | コラピント | ウィリアムズ | 1:33.746 | 1:33.749 | 16 | |
15 | 30 | ローソン | RB ホンダRBPT | 1:34.087 | 1:34.257 | 17 | |
16 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:34.155 | 10 | ||
17 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 1:34.258 | 9 | ||
18 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:34.425 | 10 | ||
19 | 77 | ボッタス | ザウバー | 1:34.430 | 10 | ||
20 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:34.484 | 3 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 12℃ |
路面温度 | 15℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1ラスベガスGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | ラスベガス市街地コース |
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設立 | 2023年 |
全長 | 6201m |
コーナー数 | 17 |
周回方向 | 反時計回り |