ホンダF1、選手権制覇懸けた勝負の2020年…開幕オーストラリアGPに向け決意表明

モニターに向かうホンダF1の山本雅史マネージング・ディレクターと田辺豊治テクニカル・ディレクター、2020年F1バルセロナテスト4日目copyright Red Bull Content Pool

バルセロナでのプレシーズンテストも終わり、F1サーカスが遂に開幕戦の舞台アルバート・パークに帰ってきた。13日(金)初日のフリー走行を前に、アストンマーチン・レッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリにF1パワーユニットを供給するホンダの田辺豊治テクニカル・ディレクターが、チャンピオン獲得を狙う今季への決意表明を行った。

「いよいよ2020年のF1グランプリ開幕戦が今週末にオーストラリアで開催されます。例年のことですが、オフシーズンはアッと言う間に過ぎ去っていったような気がしています」と田辺豊治テクニカル・ディレクター。

「スクーデリア・アルファタウリとは3年目、レッドブル・レーシングとは2年目のシーズンに向けて、HRD-Sakuraとミルトン・キーンズのメンバーはこれまで、両チームと共に懸命に準備を進めてきました。昨年までの土台を基に、パワーユニットの信頼性及びパフォーマンスの向上を目指すと共に、車体パッケージの更なる進化を目指して開発を続けています」

2チームともドライバーラインナップに変更はなく、レッドブルはマックス・フェルスタッペンとアレックス・アルボン、新生アルファタウリ(旧トロロッソ)はピエール・ガスリーとダニール・クビアトのコンビを継続する。体制の一貫性を背景に、両チームはシーズン開幕前のバルセロナテストを前向きに締め括った。

「先日バルセロナで行われた6日間のテストでは、パワーユニット・車体ともども、信頼性・パフォーマンスという点でポジティブな手応えを得る事ができました。まずはメンバー全員のこれまでの努力に感謝したいと思います」と田辺豊治テクニカル・ディレクターは続ける。

「今年はテクニカルな部分でのレギュレーション変更がないため、各チーム間で激しい戦いが繰り広げられるシーズンになると想定しています。昨年はホンダにとって2015年のF1復帰以降の初勝利や初表彰台を獲得し、両チームと一緒に確実に前進する事ができましたが、今年はさらなる進歩を遂げて、2つのチームそれぞれが昨年以上の成績を挙げることを目指して戦います」

「どんな時でも、皆さんの応援が我々の力になっています。今年もぜひ熱い応援をよろしくお願いいたします」

「最後に一連のコロナウイルスの問題についてですが、ホンダとしても公衆衛生および従業員の健康・安全を最優先とし、人や物の移動、勤務形態などについてさまざまな対応を重ねてきました。多くの検討を重ねた上で、開幕戦の開催を決定した主催者およびFIA、Formula Oneなどの判断を尊重しており、その意向に従っていく次第です」

「先行きの見えない状況ではありますが、臨機応変に状況に対応しながら、プロジェクトに取り組んでいきます」

オーストラリアGPの舞台となるのは、1周5.303km、全16コーナーを有するアルバート・パーク・サーキット。ドライコンディションとなった昨年のレースでは、バルテリ・ボッタス(メルセデス)が22戦ぶりに優勝し、2位にルイス・ハミルトン(メルセデス)、3位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が続いた。

メルボルンに位置する高速の市街地サーキットは、カレンダーの大部分を占めるその他のパーマネントコースとは特性が大きく異なるため、チームの勢力図を描くに最適なトラックとは言えない。だが、土曜日に行われる予選では各チームが今年始めて全開走行を見せるだけに、朧気ながらもその青写真を描く事はできる。

レッドブル及びフェルスタッペンと共に、29年ぶりの世界選手権タイトルの獲得に並々ならぬ闘志を燃やすホンダ。開幕戦での最強王者メルセデスとの直接対決に世界中の関心が集まっている。F1オーストラリアGPは、日本時間3月13日(金)10時からのフリー走行1で幕を開ける。

F1オーストラリアGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了