巨大なフェラーリの横断幕が掲げられるモンツァ・サーキット
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F1・モータースポーツ界に大激震…イタリア、感染抑止のため封鎖地域を大幅拡大 1600万人超が影響

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新型コロナウイルスの急激な感染拡大に対処するために、イタリア政府がロンバルディア州全域及び同国北部4州の11の自治体への出入りを禁止する法令を可決する見通しとなった。8日(日)に発効されるという。

イタリアでは7日(土)、24時間の間に新たに1247人の感染者が確認され、累計の感染者が5883人に達すると共に、死亡者の数が233人に上った事が明らかとなった。これは1日の増加数としては過去最多で、イタリアは中国と韓国に次いで大きな被害を受けている。連立与党の成す民主党のジンガレッティ党首も感染するなど、イタリアでは流行の拡大に歯止めがかかっていない。

このような状況を受け、同国政府が隔離・封鎖地域=レッドゾーンを拡大する事が明らかとなった。対象地域にはロンバルディア州のほかに、エミリア=ロマーニャ州のモデナとパルマとピアチェンツァ、エミリア=ロマーニャ州のリミニとレッジョ・エミリア、ヴェネト州のヴェネツィアとパドヴァとトレヴィソ、ピエモンテ州のアスティとアレッサンドリア、マルケ州のペーザロとウルビーノが含まれている。

現在も北部の幾つかの地域が封鎖され、約5万人ほどが不自由を強いられているが、今回の措置によって影響を受ける人口は一気に1600万人を超える。なお緊急時など、幾つか例外が設けられる見込みだが、違反した場合は罰金を課す事が検討されているという。出入り制限は少なくとも4月3日まで続けられる。

フェラーリの本拠地であるマラネロは隔離地域となるモデナに位置しており、ピレリが本社置くミラノも対象であるため、法令が発効されれば国内の他の地域はもとより、海外への出入国も禁止される事になる。なおアルファタウリの本拠地ファエンツァは、マラネロと同じエミリア=ロマーニャ州に位置しているもののレッドゾーンには含まれていない。とは言え、今後も感染が拡大する状況が続けばレッドゾーン入りは時間の問題とも言える。

F1への影響が深刻化する可能性もある。現時点でグランプリの開催延期が決定しているのは中国GPのみだが、F1のスポーティング・ディレクターを務めるロス・ブラウンは、ウイルスを理由として参戦出来ないチームが出た場合は、レースを行わない方針を示している。

F1だけでなく他のモータースポーツへの影響も懸念される。MotoGPはイタリア出身者が多く、ロンバルディア州にはヤマハMotoGPチームのファクトリーがある。また、FIA-F2選手権やF3、インディカー・シリーズのシャシーを手掛けているダラーラはパルマに本拠を構えている。

フェラーリやアルファタウリ、ピレリやブレンボ等、イタリア関係のスタッフ及び関係者の大部分は既に開幕戦のためにメルボルン入りしているものと見られ、今回の封鎖地域拡大に伴うオーストラリアGPへの影響は限定的とみられるが、続くバーレーンGP以降のイベントにどの程度の影響を及ぼすかは不透明だ。