ホンダF1長谷川祐介
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ホンダF1長谷川「バンドーンのリタイヤ原因はMGU-K、エンジンを調査する」イタリアGP 2017《決勝》

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ホンダF1を率いる長谷川祐介総責任者は、調査中としながらも、ストフェル・バンドーンのリタイヤはMGU-Kによって引き起こされた可能性があると明らかにした。予選Q3でMGU-Kのシャフトが破損したため、ホンダは決勝前にバンドーンのエンジン一式を交換していた。一新されたエンジンでも同様のトラブルが発生した可能性がある。

グリッド降格により18番グリッドからスタートしたバンドーンは、徐々に順位を上げながら19周目には7番手を走行していた。だが、その後無線でパワーダウンを訴えピットイン、34周目に無念のリタイヤとなった。

パワーユニットを構成するMGU-Kは、運動エネルギーを回生する役目を持つとともにデプロイの主役でもある。MGU-KとMUG-Hによって回生されたエネルギーは、ESと呼ばれるバッテリーに蓄えられ、実際に使用する際にはMGU-Kを通して車軸に放出される。

様々な可能性が考えられるが、最もポジティブ(?)なのは、アップグレードによって想定以上に回生パワーが向上、これにシャフトが耐えきれない、というシナリオだろうか。シャフト単体の交換であればペナルティーの対象とはならないため、次戦への影響はない。決勝前にシャフト交換を行わずに一式交換となったのは、時間の制約があったためだとされる。

リタイヤ原因はエンジン出力の低下

長谷川祐介ホンダF1プロジェクト総責任者

昨日の寒い雨とは打って変わり、今日はイタリアンブルーの美しい青空に恵まれました。残念ながらレースでは成果を上げられず、今年は非常に悔しいイタリアGPとなってしまいました。

予選で発生したストフェルのマシンのMGU-Kトラブルを受けて、今日はパワーユニットの変更作業から1日が始まりました。これによって、ストフェルはフェルナンドと並んで後方18番グリッドからレースをスタートしました。難しい状況にもかかわらず、ストフェルは良いスタートを切りました。一時はトップ10圏内で力強いレースをしていましたが、残念ながらエンジンからの出力供給が途絶えてしまいリタイヤすることになりました。現在問題の原因を調査しています。

フェルナンドもグリッド後方からレースを開始しました。彼はレース中に一貫したペースを示しましたが、終盤にギアボックスのモニタリングが不能になってしまったため、チームは彼のマシンをリタイヤさせる事にしました。レースを完走できなかったのは残念ですが、カレンダーの中で最もマクラーレン・ホンダに厳しいサーキットの1つであるモンツァで良いペースを刻めたことは、少なからずポジティブでした。

次のシンガポールでのレースは、我々のマシン特性に合ったサーキットとなりますので、チャンピオンシップポイントの獲得に集中してきたいと思います。


バンドーンのリタイヤ原因がパワーユニットにあるとされる一方、アロンソのリタイヤ原因はエンジンではなくギアボックスセンサーであった事が明らかにされている。

イタリアGPでは来季のホンダを巡って多くの会合が開かれた。FIAが事態に介入してきたことで、ホンダのF1撤退とマクラーレン・ルノー誕生のシナリオが浮上してきている。

2017年第13戦イタリアグランプリ決勝レースの詳細については、F1イタリアGP《決勝》結果とダイジェストを参照されたい。

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