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ホンダF1長谷川祐介、複数チームへのエンジン供給の可能性を明言。最大2チームとの交渉を示唆

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フォーミュラ1世界選手権(F1)に参戦している日本のホンダが、来季以降を見据えて複数のチームに対してエンジン供給の話を持ちかけていることを示唆した。現在ホンダはマクラーレンにのみエンジンを独占供給している。

ホンダのF1プロジェクトの総責任者を務める長谷川祐介は「今回のF1活動をスタートさせた時から、我々はこのスポーツをサポートしていくことを明言してきました。その観点から言えば、我々には複数のチームにエンジンを供給する必要があると言えます」とコメント。エンジンサプライヤーの義務という観点からも、マクラーレン以外のチームにエンジンを供給する用意があることを強調した。マクラーレンはホンダが他チームへエンジンを供給することに消極的な姿勢を見せ続けているものの、ホンダとしては可能な限り多くのチームに供給したいと考えている。

長谷川はまた、複数チームへの供給はデータ収集及び走行距離の確保という点からも、同社にとって大きなメリットがあるとして、来季以降の供給先として最大2つのチームとの交渉の場を持っていることを示唆した。

「より多くのデータが得られるという点と、マシンの走行機会を増加させるという点において、複数のチームを持つことは我々にとって幾らかのメリットがあると考えています。そのため、第2・第3のチームを持つことを否定はしません

ホンダ以外のサプライヤーであるメルセデス、フェラーリ、ルノーの各チームは、それぞれ3チームにエンジンを供給している。シーズン中のテストが厳しく制限されている今のF1においては、如何にして多くの走行距離を稼ぐかがパフォーマンス向上の大きなカギを握っている。先日行われたバーレーンテストでは、ホンダエンジン勢はメルセデスエンジン勢の7分の1程度の走行距離に甘んじることになった。複数チームへの供給は、ホンダF1にとって極めて優先順位の高いタスクであると言える。

ロシアGP決勝レースを明日に控えた今、2018年以降のホンダエンジンの供給先として最も現実視されているのは、スイスに本拠地を構える名門ザウバーF1チームだ。同チームの代表を務めるモニシャ・カルテンボーンはホンダとの交渉下にあることを明言しており、両者の提携が発表されるのは目前とされている。ザウバーは現在1年落ちの古いフェラーリ製エンジンを搭載しており、パフォーマンスと信頼性の点で他チームの後塵を拝する形となっている。