セバスチャン・ベッテル
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トップドライバー”ハロ”導入を続々支持、ベッテル「ハロ導入を否定するのは無知で愚か」

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2018年からの導入が発表されたコックピット保護デバイス”ハロ“(別名:ヘイロー)に対して、その外観上の醜悪さを批判する声が高まる中、4度のF1ワールドチャンピオンはハロ導入を否定するのは「無知で愚か」と語った。FIA国際自動車連盟は、ハロを”最も安全なソリューション”と評価している。

ハンガリーGP公式記者会見に出席したセバスチャン・ベッテルとフェルナンド・アロンソは、F1マシンの外観は歴史的に変化するものであるとともに、問題の本質は見た目ではなく安全性にあると主張、ハロの導入を支持した。

ベッテル「ハロを拒絶するのは無知で馬鹿げた行動」

「F1マシンらしからぬ外観だって言う人もいるけど、その一方で僕は時代は変わってきているんだと思ってる」とベッテル。

2018年からの導入が決定したハロ
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「時代が移り変わるのは自明のことだし、導入するかしないかという議論には疑いの余地がないと思うんだ。僕らの身の安全をもっと守ってくれるシステムなんだから。ジャスティン・ウィルソンだったらこのデバイスを喜んで受け入れたはずだよ。深刻な事故を防ぐための方法があるって分かっているのに、これを無視するのは無知で馬鹿げた事だと思うよ」

2003年にミナルディでF1に参戦した事もあるジャスティン・ウィルソンは、2015年のインディカー第10戦ポコノでのレースで飛来したパーツがヘルメットを直撃、37歳という若さでこの世を去った。

「確かに僕は過去のF1マシンのデザインが好きだけど、今のマシンにだって好きな部分はある。60年代後半から70年初頭の時期にはF1にはウイングがなかったと思うけど、今じゃすっかりその一分になってるよね。他にも色々あるよ。僕はV12型エンジンの時代に戻ればいいなと思ってるけど、それはもうない」

アロンソ「大歓声さ、疑問の余地はない」

2度のタイトルを持つフェルナンド・アロンソもベッテルの意見に同意する。

「セバスチャンの意見に全面的に同意するよ。何よりも大事なのは安全性だからね。FIAが証明しているように、ハロには過去十数年に起きた死亡事故の多くにおいて効果を発揮するという話だよね。もしそうなら、僕らは喜んで受け入れるよ。だって、もし時間の針を戻して仲間の命が救えるなら、だれだって嬉しいじゃないか」

「正直に言うと、見た目については僕はあまり気にしてないんだ。F1はこれまでにも多くの変更があったからね。僕がF1に初めて参戦した2001年から今に至るまで、マシンのルックスは大きく変わってしまったよ。ほら、フロントノーズの高さ、ヘルメットを守るためのコックピットの高さとかね」

「4、50年前にはシートベルトすらなかったけど、あれは特に議論なく導入されたよね。シートベルトなしで運転したほうが楽しいのに。僕にとってはハロの導入に疑問の余地はないんだ。来年、頭部の保護が強化されることを嬉しく思ってるよ。FIAがハロを研究開発し続けた結果、ドライバーの頭を守る最も効果的な方法がハロだって言うんだから。僕は大歓迎さ」

2人の王者に同意するエリクソン

会見に同席したマーカス・エリクソンもアロンソとベッテルの意見に同意する。

「良い事だと思うよ。フェルナンドとセバスチャンが言ったように安全性を重視すべきだと思う。FIAは良くやってくれてると思うし、ハロが現時点でのベストな解決策だって言うなら、来年導入するのは難しいことじゃないよね。将来誰かを救うことができれば、素晴らしいことだもの」

FIAの発表を裏付けるように、ベッテルもエリクソンもハロ装着時の視界性については何ら問題ないと同意した。